こだわりのそば栽培と
そばによる地域振興に情熱をかける
そば栽培農家 北 村 忠 一
幌加内町内のそばの作付面積は3,400ha(令和6年)。
減反政策で拡大したそば栽培も昭和55年に作付け面積が日本一となり、50年以上の歳月が経過しました。
幌加内そばの生産量は全国で生産される総量の1割を全道では約3割を占めています。
北の厳しい気候条件の中、「日本一うまいそばをつくりたい!」
若さゆえ、妥協のなかった熱い思いが、幌加内そば生産の原点でした。
幌加内町のそばの開花時期は、だいたい7月下旬から8月上旬の半月ほど。
その間に、一つの圃場で10日間そばの花が開花したら、収穫も10日間で行われます。
この収穫の時期の見極めが大切で、そばは適期に収穫しないと脱粒によって収穫量が減り、穂発芽によって品質が低下します。
そのため、大型コンバインを導入し、適期収穫ですることで、良質のそばづくりに励んできました。
現在、町内で作付されている品種は「キタワセ」・「ほろみのり」・「キタミツキ」の3種。
ほとんどの農家が同じ時期に収穫を向かえます。
そばの収穫は、天候にも左右されますが、実の水分が1番少ない時間帯(およそ4時間)に集中して行うため、
品質にバラつきのない、良質の玄そばが収穫されます。
1. 昭和48年の水稲休耕制度(米の生産調整がなされた)
2. 気象条件がそばにあっていた(朝晩の寒暖の差)
3. 山に囲まれた町だった
4. そばの乾燥調整施設が完備されている(そば等穀類専用の施設を持っているのは、幌加内のみであった)
5. 広大な面積による作付け
6. 農機具への設備費負担が少ない
7. 省力作物(少人数でも栽培できた)
8. 他の作物との競合が少ない(播種・管理・収穫)
9. 土地改良に対してのJAと行政の支援
10. 種子の統一化、毎年種子の更新を行っている
11. そば専用肥料の開発(BB121)
12. 幌加内町農業技術センターの役割(閉鎖予定)がありました。
作付けが日本一になったものの、幌加内そばは、全国だけではなく、北海道内でも知られていませんでした。
幌加内そばを全国区にすべく、町内のそば関係者とともにそば産地を回り、平成6年、幌加内町で新そば祭りを開催しました。
いまでは2日間で5万人の来場者の一大イベントに成長しました。赤字が続くイベントでしたが、続けてきてよかったと思っています。
時代は変わり、高齢化や温暖化等により、そばを取り巻く情勢は、変わりましたがそばづくりにおける姿勢は変わらず、
日々、時代に沿った栽培方法を模索しています。
北村忠一氏プロフィール
幌加内町そば生産者。
講演実績
全麺協